造園施工管理技士とは|転職・年収・1級2級の難易度を現場目線で整理

この記事でわかること

  • 造園施工管理技士の仕事内容と守備範囲
  • 建築・土木の施工管理との違い
  • 年収の目安と1級2級でどう変わるか
  • 1級2級の受験資格・難易度・合格率
  • 造園会社・官公庁・指定管理者などの転職先

公的情報源: (一財)全国建設研修センター(造園施工管理技術検定)厚生労働省 job tag(2026年6月閲覧)

結論を先に書きます

造園施工管理技士は 公園・緑地・道路緑化・庭園・屋上緑化など「造園工事」の施工管理 に特化した国家資格です。年収は 約430〜550万円 が目安で、1級 を取ると資格手当・配置技術者として評価され上振れします。

建築や土木の施工管理と仕事の進め方は似ていますが、扱う対象が「植栽・緑」 である点が決定的に違います。転職先は造園会社だけでなく、ゼネコンの外構緑化部門・官公庁の公園緑地課・指定管理者 まで広がります。

この記事の要点
  • 守備範囲は公園・緑地・道路緑化・庭園・屋上緑化
  • 年収は約430〜550万円、1級でレンジ上限が上がる
  • 1級の第二次は2級合格+実務経験が必要で難易度が一段上
  • 転職先は造園会社・外構緑化・官公庁・指定管理者と多様

造園は造園会社以外にも転職先が広がる領域です。どの業種でどんな条件が出ているかは、実際の求人を見ると具体的につかめます。

造園施工管理技士の記事は「平均年収◯◯万円」「合格率◯◯%」で終わるものが多いです。実際に知りたいのは「建築や土木の施工管理と何が違うのか」「どこへ転職できるのか」「将来性はあるのか」のはず。公的データで土台を固めつつ、現場目線で整理します。

目次

造園施工管理技士とは?仕事内容を整理する

造園施工管理技士は、造園工事の施工計画・工程・品質・安全・原価を管理する 技術者向けの国家資格です。庭をつくる職人(造園技能士)とは役割が異なり、現場全体をまとめる管理側 の立場になります。

扱う工事は幅広く、戸建ての庭から大規模な公園まで対象です。代表的な造園工事を整理します。

造園施工管理が扱う主な工事

工事の種類内容の例
公園・緑地都市公園・児童公園・緑地の整備、植栽、園路、修景施設
道路緑化街路樹の植栽、中央分離帯・法面の緑化
庭園・外構戸建て・施設の庭、エクステリア、植栽工事
屋上・壁面緑化ビル屋上の緑化、壁面緑化、ヒートアイランド対策
維持管理樹木の剪定・病害虫管理・芝管理などの保守

業務の中身は 工程計画・資材調達・原価管理・安全管理・近隣対応 と、ほかの施工管理と共通する部分が多いです。違いは「最終成果物が植物・緑」である点。生き物を扱うため、植栽の適期・活着・気象 といった植物特有の知識が求められます。

試験を実施しているのは(一財)全国建設研修センターです。受験前に最新の試験区分・日程は公式で確認しておくと安心です。

建築・土木の施工管理と何が違う?

造園施工管理が建築・土木と決定的に違うのは、扱う対象が「植栽・緑」であること です。管理手法の骨格は共通していても、判断の軸が変わります。

現場での体感に近い違いを整理します。

造園と建築・土木の違い

造園施工管理
主な成果物
公園・緑地・植栽・庭園
重視する知識
植物・土壌・植栽適期・修景
工期の左右要因
植栽の適期・天候・活着
発注者
自治体・官公庁の比率が高い
建築・土木の施工管理
主な成果物
建物・道路・橋・上下水道など
重視する知識
構造・コンクリート・設備など
工期の左右要因
工法・資材・天候
発注者
公共/民間の両方

図:造園は管理手法は共通しても扱う対象が「植栽・緑」である点が違う。

観点造園施工管理建築・土木の施工管理
主な成果物公園・緑地・植栽・庭園建物・道路・橋・上下水道など
重視する知識植物・土壌・植栽適期・修景構造・コンクリート・設備など
工期の左右要因植栽の適期・天候・活着工法・資材・天候
発注者自治体・官公庁の比率が高い公共/民間の両方

造園は自治体・官公庁の発注が比較的多い のが特徴です。公園・街路樹・緑地は公共インフラの一部なので、公共工事の安定性を受けやすい領域といえます。

工種ごとの守備範囲をまとめて知りたい場合は、施工管理技士の種類と違い(建築/土木/電気/管)で全体像を整理しています。造園は 「第5の工種」 として、ここに緑化の専門領域が加わるイメージです。

造園施工管理技士の年収はどのくらい?

造園施工管理技士の年収は、おおむね430〜550万円 が目安です。経験・会社規模・1級2級で幅があり、全職種平均に近い〜やや上の水準になります。

区分年収の目安(公表時点の目安)
造園施工管理 全体約430〜550万円
2級保有全体水準+資格手当(月5,000円程度の例あり)
1級保有約500〜600万円台、レンジ上限が上振れ
大手・上場企業会社規模で上振れ。転職で50〜100万円差の例も

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag賃金構造基本統計調査では、職種別・企業規模別の賃金が公開されています。求人票の年収が業界水準として妥当かを確認する材料になるので、転職前に一度目を通しておくと判断がぶれません(最新値は必ず公式でご確認ください)。

現場で見てきた範囲では、中小の造園会社から大手の造園・建設会社へ移ると年収が一段上がる ケースが目立ちます。年収を上げたいなら、会社規模と資格の組み合わせが効きます。

1級と2級で年収・できることはどう違う?

1級と2級では、任せられる現場の規模と評価 が変わります。年収にも差が出やすいポイントです。

区分できること・評価年収・手当の傾向
2級造園施工管理技士一般建設業の専任技術者・主任技術者になれる全体水準+手当(月5,000円程度の例)
1級造園施工管理技士特定建設業の専任技術者・監理技術者になれる約500〜600万円台、手当(月1〜2万円の例)で上振れ

特に効くのが 1級造園施工管理技士 です。建設業法上の 監理技術者 として大規模工事に配置でき、経営事項審査でも技術力として評価されます。会社にとって有資格者は必要な存在 なので、手当・評価・転職時の交渉力に直結します。

建築でも造園でも、1級を取ると「任される現場の規模」と「会社内での扱い」が変わる——1級が持つ重みは工種を問いません。資格手当の相場や年収の上げ方は施工管理技士の資格手当と年収アップ術でも整理しています。

造園施工管理技士の難易度は?1級2級の合格率

造園施工管理技士の難易度は、1級が一段上、2級は比較的取りやすい 水準です。試験は第一次検定(知識・マーク式)と第二次検定(能力・記述式)に分かれます。

近年の合格率の目安を整理します(年度で変動するため、最新値は公式でご確認ください)。

区分第一次検定第二次検定
2級造園施工管理技士おおむね50〜55%前後おおむね45〜50%前後
1級造園施工管理技士おおむね40〜52%前後おおむね43〜45%前後

2級は二人に一人前後、1級も二人に一人前後 が合格する水準です。難関国家資格ほどの低合格率ではありませんが、第二次検定は記述式の 経験記述 があり、対策なしでは通りません。

現場で見てきた範囲では、第一次検定は独学・過去問でも届く一方、第二次の経験記述で差が出る 印象です。自分が担当した工事を、工程・品質・安全の観点で書き起こす練習が合否を分けます。

1級2級の受験資格は?(令和6年度の制度改正)

受験資格は 令和6年度の制度改正で大きく変わりました。第一次検定が年齢要件だけで受けられるようになり、挑戦のハードルが下がっています。

2級・1級の受験ルート

  • 令和6年度の制度改正で第一次検定が年齢要件だけで受けられるようになった
  • 2級 一次満17歳以上で受検できる実務経験は不要
  • 2級 二次2級第一次合格+所定の実務経験指定学科卒は年数が短縮される
  • 1級 一次満19歳以上で受検できる実務経験は不要
  • 1級 二次1級第一次合格+所定の要件2級合格後の実務経験などが要件になる

実務経験の年数は学歴や2級合格の有無で変わる。制度移行期は経過措置もあるため公式情報が最優先

図:第一次検定は年齢要件だけで受検でき、実務を積んで第二次へ進む。

  1. 2級 第一次検定:満17歳以上であれば実務経験不要で受検可能
  2. 2級 第二次検定:2級第一次合格+所定の実務経験(指定学科卒は短縮)
  3. 1級 第一次検定:満19歳以上であれば実務経験不要で受検可能
  4. 1級 第二次検定:1級第一次合格+2級合格後の実務経験など所定の要件

ポイントは 第一次検定が早く受けられるようになった こと。若手のうちに第一次を通しておき、実務経験を積んでから第二次に進む、という計画が立てやすくなりました。

実務経験の年数は学歴や2級合格の有無で変わる ため、自分がどのルートに当てはまるかは全国建設研修センターの最新要項で必ず確認してください。制度移行期は経過措置もあるため、公式情報が最優先です。

造園施工管理技士の転職先は?(造園会社だけじゃない)

造園施工管理技士の転職先は、造園会社にとどまらず官公庁・指定管理者まで広い のが強みです。緑は公共・民間の両方で必要とされます。

転職先は造園会社だけではない

  • 緑は公共・民間の両方で必要とされる
    • 造園会社公共・民間の造園工事が中心。専門性を深めやすい
    • ゼネコン・ハウスメーカーの外構緑化部門建築工事に付随する植栽・外構。会社規模で年収が上振れする
    • 官公庁(公園緑地課など)公務員として発注者側へ。安定性が高い
    • 指定管理者・造園維持管理会社公園・緑地の運営・維持管理。継続需要が見込める

図:造園は施工側から発注者・運営側まで転職先が広がる。

主な転職先と特徴

転職先特徴
造園会社公共・民間の造園工事が中心。専門性を深めやすい
ゼネコン・ハウスメーカーの外構緑化部門建築工事に付随する植栽・外構。会社規模で年収が上振れ
官公庁(公園緑地課など)公務員として発注者側へ。安定性が高い
指定管理者・造園維持管理会社公園・緑地の運営・維持管理。継続需要が見込める

見落とされがちなのが 官公庁の公園緑地課(発注者側)指定管理者 のルートです。自治体は公園・緑地を直接管理しており、技術系職員や委託先の管理者に造園の知識が求められます。施工側から発注者側・運営側へ という選択肢があるのは、建築・土木と共通する強みです。

転職の進め方やサービス選びは施工管理 転職おすすめ比較で整理しています。造園は求人数こそ建築・土木より少ないものの、専門特化ゆえに有資格者の希少性が効く 領域です。

転職先の幅が広い領域ほど、自力で探すと見落としが出ます。造園の経験をどの業種がどう評価するかは、求人を扱っている側に聞くとまとめて把握できます。

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造園施工管理技士の将来性は?(都市緑化・GX)

造園施工管理の将来性は、都市緑化・GX・公共緑地の維持需要 に支えられています。短期の景気より、政策・社会的な追い風が効く領域です。

将来性を支える背景を整理します。

  • 都市緑化・グリーンインフラ:ヒートアイランド対策や雨水浸透など、緑を都市機能として活用する動きが広がっています。
  • GX(脱炭素)の流れ:緑地によるCO2吸収・生物多様性の確保が評価され、屋上・壁面緑化の需要も底堅いです。
  • 公共緑地の維持・更新:既存の公園・街路樹は更新・維持の時期を迎え、管理側の人材需要が継続します。

社会資本の維持管理や緑化施策の方針は、国土交通省の公開資料で確認できます。緑を扱う仕事は機械化・自動化されにくく、専門性が付加価値として残りやすい のも強みです。需要が長期で見込める領域の資格は、年収レンジが下がりにくい傾向があります。

造園施工管理技士の転職・難易度に関するよくある質問

Q1. 造園施工管理技士の年収は高いほう?

おおむね430〜550万円が目安で、全職種平均に近い〜やや上の水準です。1級保有・大手企業・都市部で上振れし、転職で年収が上がるケースもあります。

Q2. 1級と2級はどちらを取るべき?

まず2級で主任技術者になれる土台を作り、実務経験を積んで1級へ進むのが現実的です。1級は監理技術者として大規模工事に配置でき、評価と年収の上限が変わります。

Q3. 造園施工管理技士の難易度は高い?

第一次検定はおおむね40〜55%前後、第二次検定は43〜50%前後で、難関国家資格ほどではありません。ただし第二次の経験記述は対策が必要です。

Q4. 建築や土木の施工管理と何が違う?

管理手法は共通しますが、扱う対象が植栽・緑である点が違います。植栽適期や活着など植物特有の知識が求められ、官公庁の発注比率が高いのも特徴です。

Q5. 造園施工管理技士はどこへ転職できる?

造園会社のほか、ゼネコンの外構緑化部門、官公庁の公園緑地課(発注者側)、指定管理者・維持管理会社など、施工側から発注者・運営側まで選択肢が広がります。

まとめ|第5の工種「造園」は専門特化が効く

この記事のまとめ
  • 守備範囲は公園・緑地・道路緑化・庭園・屋上緑化
  • 年収は約430〜550万円、1級でレンジ上限が上がる
  • 1級の第二次は実務経験+経験記述で難易度が一段上
  • 転職先は造園会社・外構緑化・官公庁・指定管理者と多様
  • 都市緑化・GX・維持需要で将来性が支えられる

造園は建築・土木より求人数こそ少ないものの、専門特化ゆえに有資格者が評価されやすい 領域です。1級取得と転職先の選び方をセットで考えると、緑を扱う専門職として長く稼げます。

都市緑化の流れで需要が伸びている領域です。ただし待遇は会社ごとに幅があるため、今の条件が相場並みかどうかは他社の提示を見て確かめるのが確実です。確認と相談は無料です。

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免責事項

※本記事は2026年6月時点の公開情報・公的統計をもとにした整理です。年収・受験資格・合格率は会社・年度・制度改正で異なります。最終的な判断は各社の求人情報および全国建設研修センター・厚生労働省等の公的情報をご確認ください。


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この記事を書いた人

Yokoyamaです。ゼネコンからサブコンへ移りながら、現場監督として通算10年、RC造の建築現場を担当してきました。工程管理や協力会社との段取り、施主への引き渡しまで一通りやってきて、1級建築施工管理技士も取りました。

朝礼前の現場で、同じように図面を抱えた同期が「この働き方をあと20年は続けられない」とこぼしていたのを、今でも覚えています。施工管理から転職して活躍する人もいれば、条件だけで決めて後悔する人もいます。その分かれ目は、残業や休日といった数字だけでは見えません。このサイトでは、ゼネコン・サブコン・設備・ハウスメーカーで働き方がどう違うのか、現場で見てきた範囲で率直に整理しています。

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